バイオリンには子ども用の楽器(分数楽器)があります
ギターやピアノに「子ども用」というサイズはありませんが、バイオリンには子ども用サイズの楽器があります。3~4歳で使う小さなサイズから大人用のサイズまで、一般に7種類のサイズがあります。
サイズの呼び方は分数
バイオリンのサイズは「1/2」「1/4」等、分数で呼びます。大人用のサイズは「4/4」で、これを「フルサイズ」とも呼びます。
フルサイズの大人用楽器に対して、子ども用のサイズは「分数楽器」「分数サイズ」と呼ばれます。
小学校高学年ともなれば親と変わらない体格の人も多くなりますが、低学年や未就学児は身体の大きさが違うので、小さい楽器を使います。分数サイズから使い始めたら、成長に合わせて楽器のサイズも替えていきます。靴や服のサイズが変わっていくのと似ています。
ここでは適正サイズの見つけ方を紹介します。
身長によるバイオリンのサイズの目安
バイオリンのサイズは腕の長さで決まります。しかし「腕の長さは何センチ?」と問われても、答えられる人はほぼいません。なので、まずは身長でサイズの目安を区切ります。
105~110cm 1/10
110~115cm 1/8
115~125cm 1/4
125~135cm 1/2
135~145cm 3/4
145cm~ 4/4(フルサイズ)
適正サイズの測り方
正確には、バイオリンを構えたときの腕の状態を見てサイズを決めます。たいていの場合は身長ごとの目安サイズで間違いないのですが、サイズ切り替わりの身長の場合は、実際に楽器を持って決めることをお勧めします。
1.バイオリンを左肩(鎖骨)に載せる
適正サイズを測るには、まずバイオリンを左肩(鎖骨)に載せます。ただ楽器を肩に置くのではなく、首元に楽器を密着させます。
2.バイオリンの先端(うずまき)を左手で握る
バイオリンを肩に載せた状態で、左腕で楽器の先端の渦巻きを握ります。このとき、指先で触るのではなく、手のひらで渦巻きを包むようにしっかり握ります。左肘は楽器の真下に入れます。
3.左ひじの曲がり具合を確認
左手で渦巻きを握った状態で左腕の肘の曲がり具合を確認します。少し肘が曲がる(角度にして120度~150度くらい)くらいが適正サイズと言われます。肘が曲がりすぎてしまったら、そのサイズは小さすぎます。バイオリンのサイズは腕の長さで決まるので、身長が同じでも楽器サイズが違うこともあります。
4.左手は届くが肘がまっすぐのときは・・・
では、渦巻きを握った状態で肘が曲がらずまっすつ伸びていたらどうでしょうか。演奏するときの左手の位置は渦巻きではなくネックの位置にあるので、渦巻きに手が届いて握れるなら、たとえ肘がまっすぐでもそのサイズでも使えると判断できます。

どちらも使えるなら、大きめサイズ?小さめサイズ?
では、腕がまっすぐ伸びるサイズと肘が適度に曲がるサイズがあったら、どちらを使うべきでしょうか。たとえば身長125㎝で、1/4でも小さすぎず、1/2でも使えると判断したら、どちらが適正サイズと言えるでしょうか。
この場合は、バイオリンの経験年数や現在の練習内容も含めて判断します。
全くの初心者の場合は無理して1/2を使うより、多くの場合は無難な1/4をお勧めします。
サイズが大きくなると弓も長くなり、弓が長くなるとその分だけ肩の筋肉をたくさん動かす必要が出てきます。初心者ではまだ筋肉を上手く使えないため、大きいほうのサイズだと難易度が上がってしまうのです。
一方で、すでに数カ月のバイオリン経験があってサイズ交換を検討するなら、1/2の楽器を使うことをお勧めします。早く新サイズのボウイングや指の位置に慣れて筋肉を大きく動かすよう練習すれば、さらに上達していきます。
バイオリンは成長とともにサイズ替えが必要!
分数楽器(子ども用サイズ)から使い始めた場合は、成長に応じて楽器のサイズを変えていく必要があります。もし「1/16」の楽器から使い始めたら大人になるまで6回もサイズが変わるのです。ピアノなら購入したらずっと使い続けられますが、バイオリンは何度も楽器が変わります。
サイズ交換の時期は「●年ごと」「■歳になったら」と機械的に決まるものではありません。今使っている楽器が小さいと感じたら、次のサイズに移ります。
成長の遅い子の場合は同じサイズを数年使うかもしれませんが、いきなり背が伸びたりすると半年でサイズ交換になることもあります。
サイズが変わると楽器はこれだけ大きくなる
分数楽器はサイズがひとつ変わると全長が3㎝程度長くなります。楽器の厚みも増して弓も長くなります。いままでと指の位置も少し変わります。
今まで慣れていた楽器より楽器も弓も一回り大きくなるので、サイズを変えた直後はうまく弾けないことがあります。今までできていたことが、思うようにできないかもしれません。
楽器のサイズを変える際は、身長が何センチになったからと自動的にサイズを変えるのではなく、レッスンの進行具合などを担当の講師と相談して交換するのが賢明です。
楽器のサイズ飛ばしはNG
何度も買い替えるのは大変だから、サイズをひとつ飛ばしてもいいのでは?と思うかもしれませんがそれは賢い方法ではありません。
サイズがひとつ違うだけでも違和感があるのに、ふたつ先のサイズになると違和感はもっと大きくなります。小さすぎるサイズを使い続けると、姿勢やボーイングが悪くなります。
だからバイオリンはお金がかかる?
何度も楽器を買い替えると出費もかさむのは確かです。でも中古楽器やレンタルを利用するとサイズ替えによる出費はだいぶ抑えられます。
たとえば、バイオリンを始めたばかりの初心者のうちはレンタルで、サイズが変わったら中古楽器を買ってメンテナンスも覚えるようにし、成長して上達したらその時に一生使える楽器を探す、等、最初の予算を抑えておくのが賢明です。
楽器購入の考え方は「初心者向けのバイオリン、お値段いくら?~予算と選び方のコツ」でも紹介しているので参考にしてください。
サイズが分かったら、次はどうする?
子どものバイオリンのサイズが分かったら、次に気になるのは「どうやって始めるか」ではないでしょうか?
バイオリンは憧れの楽器ですが、「いきなり買うのは不安」「子どもに合っているか分からない」という悩みを持つ方も多いです。そこで、まずはレンタル楽器で短期レッスンを試してみるのがおすすめです。
「小学生のための6週間バイオリン・レッスン」は、「バイオリンを始めるか迷っている」「最適なサイズが分かったけど、次のステップが分からない」という人のためのプログラムです。
6週間レッスンなら安心して始められる!
✅ 楽器レンタル付き:購入前にバイオリンを試せるから安心!
✅ オンラインレッスン:送迎不要なので、忙しい帆保護者でも、塾やピアノがある子どもでも、バイオリンを習えます。
✅ たった6週間で1曲マスター:お子さまの成功体験をサポート!
✅ 初心者専用カリキュラム:6週間で曲を弾けるから楽しい!未経験でも楽しく続けられます。
6週間バイオリンを弾いてみると、今まで知らなかった楽器のことがたくさん分かるようになります。楽器の購入を考えるのはそれからでOK!
バイオリンの世界への第一歩を、無理なく踏み出してみませんか?

バイオリン・プロジェクト講師チーム

音感不要!初心者のためのバイオリン調弦(チューニング)ガイド~最初に覚えるべき基本手順
調弦(チューニング)とは ケースから取り出したばかりのバイオリンは、音が正しくありません。時間とともに弦のテンション(張

習い事が続かない問題を解決!子どもの興味を引き出すためのアプローチ
習い事が続かない、でも「失敗」じゃない 「子どもにせっかく始めさせた習い事が続かない……」と悩む親は少なくありません。特

バイオリンの持ち方に慣れてきたら「肩当」の高さを調節~初心者の上達のコツ
「肩当」は初心者でも自分用に調整可能なパーツ バイオリンを習い始めてすぐはレンタルで借りた楽器をそのまま使うだけかもしれ