バイオリン左手のフォーム改善~悪い癖を直すためのアドバイス(原因は持ち方)
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楽器を演奏する人にとって準備や片づけはあたりまえのルーティン。いまさら説明することでも説明されることでもありません。ですから教室でも詳しく説明されることは少ないし、まったく説明がないことも珍しくありません。
バイオリンにとって「松脂」は当たり前すぎて話題にもならないことですが、まだ楽器に不慣れな初心者なら悩むのも当然です。ここでは松脂の塗り方や頻度と注意点を解説します。
松脂は、弓の根元から先端までしっかり塗ります。とくに弓の先端の塗り忘れが多いので、意識して先端まで塗りましょう。塗りムラがあると音も安定しないので、均一に塗ります。
松脂の塗り方が分からなくなったら、下の動画を参考にしてください。
松脂を塗る頻度を正確に表現すると「足りなくなったら塗る。足りていれば塗らなくて良い」です。だから必ずしも毎日松脂を塗る必要はありません。
しかし習い始めたばかりの初心者はまだ「松脂が多すぎる」「松脂が少ない」状態が分かりません。ですから、最初の2週間は「2日に一度」を目安にすることをお勧めします。
1日の練習のうち、初心者の場合は姿勢や持ち方を直している時間が多く、弾いている時間は意外と少ないものです。身体が弾くことに慣れておらず、すぐに疲れるので長い時間は練習できません。すると、毎日松脂を塗っているとだんだんと松脂が多すぎる状態になります。
松脂が多すぎるとバイオリンの音はギシギシきしんだような音になります。丁寧に弾いても滑らかな音になりません。反対に、松脂が少ないとバイオリンの音が出ません。
習い始めた最初は、松脂の量に関係なく、きれいな音を出す弾き方ができません。だから松脂が多いのか、適切なのか、少ないのか、自分で判断するのは難しいのです。
弾き方に慣れてきて「良い音・きれいな音」が出せるようになると、松脂が多すぎたり少なすぎたりの違いがだんだん分かってきます。「多すぎるな」と思えば塗る量や頻度を減らしたり、「少ないな」と思えばしっかり松脂を塗る等、調節の仕方が分かってきます。
それまでは、2日に一度松脂を塗れば十分です。松脂を塗る頻度は「昨日塗ったのに今日も塗ってしまった!」「今日は松脂を塗る日なのに忘れてしまった!」等、あまり深刻に考える必要はありません。あくまでも「足りなければ塗る」「多すぎれば塗らない」が基本なので「2日に一度」という頻度も単なる目安にすぎません。
松脂は「足りなくなったら塗る」が基本ですから、2日に一度ではなく3日に一度でも十分かもしれません。ですが、3日に一度の頻度だと、こんどは「松脂を塗る」という準備そのものを忘れてしまう人もいます。
まったく松脂を塗らなければだんだん音が出なくなっていきます。このとき初心者だと「バイオリンの音が出なくなった!」と焦ってしまうことがあります。
「松脂を塗る」という基本作業を忘れないためにも、初心者には「2日に一度」という頻度をお勧めしています。
松脂を弓に塗るときは、弓でこすって松脂を細かい粉にしたものを、弓に塗りつけています。松脂の粉が床や楽器にこぼれ落ちるとべとべとに汚れます。ですから、松脂を塗るときは松脂を下で固定し、上からかぶせた弓を動かして塗ります。松脂弓の上から動かすと、松脂の粉が床や楽器にこぼれてべとべとに汚れてしまうので、必ず松脂を下で固定しましょう。松脂の粉がこぼれても周囲が汚れないように、松脂の下に布を敷いておく(上の動画参照)、またはごみ箱の上で松脂を塗ることをお勧めします。
松脂は、硬い石のようにも見えますが、割と脆い個体です。角砂糖くらい脆いものだと思ってください。ぶつけたり落としたり衝撃が加わると、粉々に崩壊します。松脂を塗るときは弓の根元の金属パーツが松脂にぶつからないよう注意しておきましょう。硬い金属パーツが当たると、そこから松脂がボロボロと崩れることがあります。弓の金属パーツが松脂に当たらないよう、注意して塗りましょう。
弓に塗った松脂は、演奏中に弦の周りに落ちてきます。楽器についた松脂を放置するとこびりついて取れなくなります。弦に松脂が残ったままだと音が悪くなりますし、楽器の表板に松脂が残っていると埃を巻き込んで汚れがひどくなります。
バイオリンを弾いた後は、楽器についた松脂を必ず拭きとりましょう。楽器を拭くときは、楽器用のクロスや眼鏡拭き、またはガーゼ布等、やわらかくて繊維の残らない布を使います。タオルやティッシュペーパーは繊維が残るので松脂の拭き掃除には不向きです。
毎度の拭き掃除は面倒に思えるかもしれませんが、ちょっとしたひと手間が楽器を良い状態に保つ秘訣です。こびりついた松脂を無理やり剥がすのでなく、普段から松脂が残らないようにお手入れしましょう。
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