アジャスタの回しすぎに注意! violin-project バイオリンを弾く準備 0 Comments 調弦を行う際、初心者の場合はペグを回すことが難しいと感じて、ついアジャスタに頼りがちになります。とくにサイズの小さい楽器(1/8、1/4程度)ならアジャスタだけで調弦できるので、ペグを使わない人がほとんどです。ペグを使わないといけないルールはありませんが、アジャスタには限度があるので、ペグでの調整が必要なときがあります。アジャスタは「ネジ」なので、無限に回るものではありません。締め切ってしまえばネジは動かなくなるし、全部緩めてしまえばネジは外れます。適度にペグを使って調整しないといずれ「アジャスタが動かない!」「アジャスタが外れてしまった!」という場面に遭遇します。いま一度、アジャスタを回すときの注意点を確認しておきましょう。 アジャスタは「ネジ」ですアジャスタは「ネジ」です。ネジなので、すべて回して締めてしまったら、それ以上動かなくなります。ペットボトルのキャップを締め切ったのと同じです。反対に、ネジをすべて緩めてしまったら、ネジは外れてしまいます。ペットボトルのキャップを開けたのと同じです。アジャスタのネジは外れるとf字孔に落ちることがあります。f字孔に落ちると簡単には取り出せません。外れたネジを失くしてしまうこともあります。まずは「ネジを外さない」ように注意してください。 アジャスタが動かないとき音を高くするときは弦のテンションを強めたいのですが、ペグを締めて弦を切ってしまうことを恐れて、音を高くするときほど初心者はアジャスタに頼りがちです。毎回アジャスタだけを回していると、アジャスタを締め切ってしまうことが多々あります。とくにサイズの大きな楽器(3/4、4/4等)では、アジャスタの1回転ではあまり音が変わらないので、何回転も回します。アジャスタを締めていけばどこかでそれ以上回らなくなります。このとき「アジャスタが動かない!」と焦るかもしれませんが、落ち着いて状態を確認しましょう。アジャスタが動かないときは、それ以上回そうと思っても回りません。いったん反対の緩める方向に回してください。「いや、弦を緩めたいのではなく、音を高くしたいからもっと締めたいのです!」と言いたくなるかもしれません。そのときはペグを回して調整しましょう。アジャスタを緩めた分はペグを締めれば音を高く調整できます。アジャスタのネジは、常に左右どちらにも回せる状態に余裕を持たせておきましょう。 【左】アジャスタを緩めた状態【右】アジャスタを回し切った状態 アジャスタが外れたときアジャスタが外れてしまったら、すぐに元に戻してネジを締めてください。ネジは小さいので、落とすと失くすことがあります。とくにf字孔の中に落としてしまうと、簡単には取り出せません。ネジを取り出そうと無理して楽器を傷つけることもあります。ネジがf字孔に落ちて取り出せない場合は楽器店に相談しましょう。緩んだネジを締めれば弦のテンションも強くなります。ネジを緩めているときは音を低くしたいときですが、弦のテンションが強くなれば音は高くなります。音を低く下げたいときは再度ネジを緩めるのではなく、ペグを回して調整してください。 アジャスタの締めすぎは要注意アジャスタを締めると、ネジはどんどん下に落ち込みます。アジャスタの大きさによっては、ネジが楽器の表面に触れることがあります。その状態でネジを回し続けると、楽器を傷つけます。最悪の場合は楽器の表板を貫通することもあります。楽器を傷つけないよう、アジャスタの周りを良く観察してください。 アジャスタで傷ついた表板 楽器を良く観察しようアジャスタは極めてシンプルな構造です。よく観察して、自分のアジャスタの状態を知っておきましょう。バイオリンのお手入れ・調整は「●●だけ行えばよい」というものではありません。気温や湿度の変化の影響が大きいので、毎日の状態を良く知って、良い状態に保っておきます。少なくとも毎日触るアジャスタは、今どういう状態(ほぼ回し切った、あと少しで外れる)なのか、知っておきましょう。 未経験者のためのバイオリン基礎知識