バイオリンの保管方法
- バイオリン・プロジェクト講師チーム
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基本は「赤ちゃんを寝かすのに快適な環境」
バイオリンの保管は、何も難しいことはありません。美術品の保管庫やワインセラーのような特殊な環境は必要なく、普段の生活環境に置いて問題ありません。
ただし、寒暖差と湿度の変化が大きい日本の気候でバイオリンを保管するには、少し注意する点があります。
「赤ちゃんを寝かすのに快適な環境」に置くよう、心がけてください。
例えば、以下のような環境は厳禁です。
× エアコンの直風が当たる場所
× 自動車の車内
夏季は湿度が高いので、楽器ケースに乾燥剤を入れておくことをお勧めします。
× ストーブ等熱源の近く
× エアコンの直風が当たる場所
寒い屋外から暖かい部屋に入るだけでも温度変化が大きいので、外に持ち出す際は注意しましょう。
バイオリンは急激な温度変化、急激な湿度変化が苦手な楽器です。人間だって、温度や湿度が急激に変わればストレスになります。
だからバイオリンを保管する目安は「赤ちゃんを寝かせて快適な環境」です。赤ちゃんはデリケートですから、暑すぎたり寒すぎたり、または湿度が低すぎたり高すぎたりしないよう気を使いますが、だからと言って特殊な装置等が必要なわけではありません。普段の生活の中で、極端な環境にならないよう注意しておくくらいです。バイオリンも同じ。
レンタル楽器の場合は、ペットやタバコにも注意
自分で所有する楽器ではなく、レンタルのバイオリンを使っている場合は、ペットやタバコにも注意しましょう。
楽器に傷はつかなくても「汚損」となって返却時に有料の清掃・メンテナンス、場合によっては部品交換が必要になります。
室内でペットを飼っている場合は、楽器、付属品およびケースのいずれにもペットを近づけないでください。ペットの細かな毛がバイオリンや弓やケースに付着していまいます。また、ペットの世話をしたときに着ていた服のままバイオリンを弾くと、ペットはその場にいなくてもペットの毛がバイオリンや付属品に付着することがあります。
タバコの臭いは油性の汚れなので一度ついてしまうとなかなか落とせません。とくに楽器ケースは臭いがつきやすく、楽器ケースからバイオリン本体にも臭いが移ることがあります。タバコを吸う部屋での保管や演奏は避けましょう。
普段の環境にあるものなので、気づかぬうちにペットやタバコに楽器を近づけてしまうことがあります。自分で所有する楽器なら気にしなくても良いかもしれませんが、借りた楽器にはペットやタバコによる汚損を残さないよう、注意しましょう。
初めてバイオリンリンを開けるときは・・・
家で初めてバイオリンを取り出すときは、嬉しくてすぐ手に取りたくなりますが、ここで一呼吸。ケースから取り出す前に、以下のひと手間だを、忘れずに行ってください。
ケースにしまってある状態を、写真に撮る
慣れてしまえば気にすることもない動作ですが、初めての人がバイオリンをケースから取り出すと、片付け方が分からなくなることがあります。
バイオリン本体の入れ方が分からないことはまずありませんが、本体以外の付属品の入れ方で迷うことがあります。とくに、弓と肩当の入れ方を間違えると、弓やバイオリン本体を傷つけることがあります。
写真をお手本として必要なのは最初の3日間くらいですが、写真があるのと無いのとでは安心感が違います。「知らなかった」で大切なバイオリンを傷つけることのないよう、ケースを開けたら取り出す前に写真を撮っておきましょう。
万一、写真を撮らずに楽器を取り出して片付け方が分からなくなったら、基本は「無理せず収まる場所」に収めるように試してください。不自然な片付け方では、弓の毛が引っ掛かったり、ストラップを閉め忘れると傷の原因にもなるので要注意です。
「バイオリンをもっと身近に感じてほしい」の思いを持ったバイオリニストによる講師チーム。オンラインならではの教え方を工夫しています。日本国内だけでなく海外からもレッスン実施中。