バイオリンの肩当

バイオリンの持ち方に慣れてきたら「肩当」の高さを調節~初心者の上達のコツ

「肩当」は初心者でも自分用に調整可能なパーツ

バイオリンを習い始めてすぐはレンタルで借りた楽器をそのまま使うだけかもしれません。少し楽器に慣れてきたら初心者でも自分用に調整できる部分があります。そのひとつが「肩当」です。肩当を調整するだけで持ち方がラクになることがあるので、いちど試してみてください。

バイオリンの肩当は、自転車に例えると「サドル」

たとえば、自転車に乗れるようになるとサドルが「高い方が乗りやすい」「低めがいい」と自分にちょうど良い感覚が分かってきます。

バイオリンの肩当てもこれと同じで、楽器の構え方が分かってくると肩当の高さを調整するだけで今までより構えがラクになることがあります。よりラクに楽器を持てるほうが弾きやすくなります。弾きやすいほうがバイオリンの上達はそれだけ早くなります。持ち方に慣れてきたら、肩当ての高さを調節して自分に合う高さを見つけてみましょう。

一方で、まだ自転車に乗れないうちはサドルの高さをあれこれ言っても意味が無いように、楽器の挟み方が分からないうちに肩当の調整をしても、急にバイオリンの持ち方がうまくなることはありません。まして姿勢が崩れているうちは肩当の高さを変えても何も変わりません。その場合はバイオリンを構えた時の姿勢を直すことを優先しましょう。

肩当の高さを調節する方法

肩当の爪部分はネジ留めされており、ネジは素手で回せます。このネジの分量を調整して、肩当ての高さを調整します。

適切な肩当の高さは人によって違います。首が長めの人は肩当てが高めのほうが持ちやすいですが、首が短めの人は肩当てを高くするとかえって持ちにくくなることがあります。

肩当の高さ調整の解説図

肩当ての代用品(例:スポンジ)

肩当ては楽器を持ちやすくするための「補助具」なので、極端なことを言えばつけなくても構いません。プロのバイオリニストには、肩当てを使わない人もたくさんいます。

身体の小さい未就学児や低学年生の場合は、肩当てが返って邪魔になることさえあります。しかし初心者には楽器だけで持ち方を練習するのは難しいので、市販の肩当てではなく代用品を使うことがあります。

たとえばスポンジ。バイオリン用のスポンジやも市販されていますが、100均で買えるスポンジでも十分役を果たします。

楽器サイズが変わった直後など、市販の肩当てだと低くしても厚みがありすぎると思う場合も、スポンジを試してみてもいいでしょう。

スポンジを肩当の代用にする場合、素材が柔らかいので、首が短くても楽器を首まで当てられます。一方で、この柔らかいことが原因で、楽器を構えた後に滑り落ちやすくもなります。

スポンジで持ち方の練習に慣れてきたら、肩当てに変えて練習してみてください。最初は首が短くて肩当ては無理と思っていた場合でも、慣れてくるとしっかり高さのある肩当てのほうが持ちやすいことが多々あります。

肩当を変えるだけで、弾きやすくなったり、音色も変わります

肩当ては、素材や形状の異なるものがいろいろ市販されています。人の骨格は個々に違いますから、本来は自分の体に最適な肩当を使うのが理想です。

未経験者の場合は道具の良しあしより基本の持ち方・姿勢を覚えることが先決です。道具を変えて基本ができるようになるわけではありません。基本ができてから道具を選んだほうがいいと考えるので、当レッスンではレンタル楽器で練習しています。

6週間で終える場合は楽器や道具の好みまでまだ分かりませんが、今後バイオリンを続けようと思ったときには、肩当てを変えるだけでも弾きやすさや音色が変わるものだと、知識として覚えておくと良いでしょう。

楽器店のウェブサイトでも各商品(肩当)の特徴が紹介されていますので、興味があったら参照してみてください。

【参考サイト】
島村楽器「教えて弦楽器!Vol.14~肩当ての選び方」

先生がいないと、家では正しい持ち方が分からない

教室では先生が直してくれる・・・教室レッスンの利点でもありますが、先生に頼っているから家で同じことを再現できないという声は結構たくさんあります。保護者に楽器経験がなくても、子どもに正しい持ち方を教えることはできます。一度だけ、時間をかけて最初から持ち方の基礎を練習してみませんか?

バイオリンを演奏するリスのイラスト

「バイオリンをもっと身近に感じてほしい」の思いを持ったバイオリニストによる講師チーム。オンラインならではの教え方を工夫しています。日本国内だけでなく海外からもレッスン実施中。