初心者向けのバイオリン、お値段いくら?~予算と選び方のコツ
お値段の正解はないけど、予算のヒントならあります バイオリン教室のウェブサイトを検索すれば月々のレッスン費(月謝)はだい Read More »
小学校高学年生の子どもがバイオリンに興味があると言ったら、親は素直に喜ぶより「今からでは遅すぎるのでは?」と懸念することが多いかもしれません。ネットを検索しても「3歳、4歳からはじめるのがいい」「早くはじめるほど良い」という情報が多いのも事実です。
ですが、バイオリンをはじめるのに年齢は関係ありません。大人になってから習いはじめる人もいますし、小学校高学年や中学生からバイオリンをはじめて音大に行った例もあります。
「小学生のうちに難曲を弾く」という目標があるなら、確かに高学年生からのスタートは遅いでしょう。でもゼロからはじめて少しずつ弾けるようになっていく過程に「開始年齢が遅すぎる」ということはありません。反対に、幼児期から始めたからといって上達が早いとは限りません。むしろ年齢が低いほど最初の進度は遅いのが一般的です。
では、どうして「3歳、4歳からはじめないといけない」という誤った理解が広がっているのでしょうか。
バイオリンには子ども用サイズの楽器があります。だから体の小さい幼児期から習えるのです。他の楽器では子ども用に小さなサイズ展開はほぼありません。
子ども用の楽器があるため「習い始めることができる」だけで、幼少期から習えば「絶対うまくなる」という保証はありません。「幼少期から習わなければ弾けない」という意味でもありません。
バイオリンはかつてヨーロッパの貴族のお抱えの楽団で演奏された楽器でした。その音色の美しさに貴族が自分の子どもにも弾かせたいという流行があり、子供サイズが作られるようになったのです。
バイオリンのサイズ展開については「子ども用バイオリンのサイズは何種類?選び方は?」でも紹介しているので参考にしてください。
バイオリンは、はじめる年齢に応じて理解や進度に違いがあります。
一概に「いつから始めるのが良い」ではなく年齢ごとの特徴に応じて、親がうまくサポートしてあげることが長く続けて上達の秘訣だと言えるのではないでしょうか。
音楽レッスンの一回あたりの時間はおよそ30分程度ですが、ほとんどの未就学児くらいの子どもは30分フルに集中できません。
もって5~10分程度で、レッスン時間の大半は遊んでしまうか不機嫌になってしまいます。むしろ幼児に30分を集中させることに無理があるので、この頃はレッスンに通っても進度はゆっくりです。
幼児に飽きさせない工夫をしている教室では、バイオリンそのものを教える時間は短くして、歌や手遊びなどを加えて音楽に親しむことを主体にしています。
理論的な説明は理解できないので、正しい姿勢よりも「自分の体の癖に従った。崩れた弾き方」になりがちです。正しい姿勢・持ち方が身につくまで半年から1年かかることも普通です。
小学校低学年は本人が「バイオリンを弾きたい」と自分で意思を持ってはじめられるようになる年齢です。しかし精神的な成長には個人差が大きく、集中力が10分程度しか続かない場合もあれば高学年生並みに努力できる場合もあり、同じ年齢でも進度がずいぶんと違います。
低学年生だと、正しい姿勢や正しい弾き方があると言っていることは理解できても、自分の姿勢や弾き方が崩れていることを理解できないこともあります。その場合は崩れた姿勢のまま弾き続けることも珍しくありません。保護者は良い姿勢に直してあげようとして手伝いますが、保護者の介入が自分の演奏を邪魔していると感じて嫌がることもあります。「将来の成果のために今努力する」という考え方がまだできない年齢なので、姿勢や持ち方の基礎練習をやりがたらないのも無理はありません。
姿勢や持ち方が悪いまま練習を続けても上達は遅いのですが、この先ずっと上達しないということではありません。精神的に成長して「うまくなるには基礎練習が大事」と理解できれば必要な練習ができるようになり、上達していきます。初期のころの遅れは後から挽回できます。いま「バイオリンを弾きたい」と思っているなら、存分にバイオリンを弾く楽しさを体験しましょう。「好き」は何より強い練習のモチベーションです。
一方で、正しい姿勢や正しい弾き方を比較的早く理解できる場合もあります。一度慣れてしまえば良い姿勢・良い弾き方で練習できるので、こうなると上達は早いです。
極端な例を示しましたが年齢が低いほど個人差が大きいので、その子の成長に合わせた進度になると理解してあげてください。
バイオリンをはじめるには遅いと思われがちな小学校高学年ですが、実はこの年齢層からはじめても遅すぎると決める要素はほとんどありません。
低学年の子と同様、自分の意思で「バイオリンをはじめたい」と意識してはじめられるうえ、理論的な説明も理解できるようになります。「直角」や「てこの原理」という言葉が分かるので、何が正しい姿勢なのか頭で考えて練習できます。
ほかにも「格好悪い姿勢で弾きたくない」「雑音が嫌だ」等、見栄えも気にするようになるので基礎練習の意味も理解して取り組める年齢です。テレビやYouTubeのバイオリンに憧れて興味をもったなら「何が奇麗な弾き姿か」「どんな音が良い音か」という理想形をしっかりイメージできています。この「あるべき姿」をイメージできることも、上達を後押ししてくれる要素です。
さらに、高学年生は30分のレッスンを飽きずにしっかりこなせるので、同じ30分の時間を使うのでも未就学児や低学年生より内容の濃いレッスンが受けられます。たとえて言うなら、低学年生が一度に「3」進むなら、高学年生は一度に「7」「8」進める、という具合です。
バイオリンを習うのは子どもですが、子どもが正しく学んでいくためには親の協力が不可欠です。他の習い事なら「親は送り迎えだけ、練習の中身は先生に任せきり」でもいいかもしれませんが、バイオリンは家での練習を親が見る必要があります。これがバイオリンの習い事の「難しい」と思われる理由のひとつです。
じゃあ親にバイオリン経験が必要かと言われたら、それは不要です。もともとバイオリン経験のある人は多くないので、親のバイオリン経験を条件にしたら習える人はごくわずかに限られてしまいます。
まず楽器の管理や準備には親の関与は必須です。たとえば調弦(チューニング)です。バイオリンは弾く前に調弦(=弦の音を正しく合わせる作業)が必要ですが、低学年生が調弦を理解するのは難しいので、親が毎回の調弦を行うことになります。高学年生なら理解すれば一人でも調弦できますが、間違っていることも多々あるので親のチェックは必須です。
楽器を正しく扱わないと破損や不具合のもとになります。子どもが使う楽器だから頑丈にできていると思う人もいますが、実際はとても繊細な楽器です。弓の準備と片づけなどはつい手を抜きがちですが、毎回正しい扱いが必須の道具です。
楽器の管理だけでなく、練習にも親のサポートは必要です。たとえば姿勢の癖を直すこと。初心者のうちは姿勢が崩れていることに自分では気づけません。鏡を見て姿勢を直せるようになるのは数ヶ月先のこと。それまでは親が姿勢の崩れに気づいて直す以外に手段がありません。
初心者は右腕の動きも左手の形もすぐに崩れます。子どもは弾くことに精いっぱいなので何が崩れているかまで気が回りません。家で練習する際は親が直してあげないと、正しい形で練習できません。
低学年生(1~2年生)ほど姿勢が崩れやすいのですが、この年齢は親に姿勢を直されることを「邪魔されている」と感じて嫌がることもあります。まだ「将来のために今努力する」ということに関心がなく「今、楽しい」が重要なのです。小学校1~2年生ではまだ精神的に未熟なだけなので、ここで大人は焦らないでください。
姿勢が悪いと音も悪いので大人はイライラが募ります。だから「正しい弾き方」「良い弾き方」を教えたくなるのですが、子どもは「自分流に楽しむ」ことが優先なので、お互い衝突して喧嘩になりがちです。
今は「バイオリン楽しい」という成功体験をたくさん積むことを優先しましょう。「楽しい」は何よりのモチベーションです。成長とともにこの蓄積が練習の原動力になります。
年齢ごとに身体や精神的な成長の段階が違うので上達の速度にも差が生じますが、それはあくまでも成長段階の違いであって才能の差ではありません。大人の基準で無理強いするより、子どもの関心を中心に考えてみると「少し待ってみようかな」と大人も冷静になります。
楽しく続けていくには、何歳から始めたら良いかという絶対的な指標ではなく「バイオリンを弾いてみたい」と興味を持った時が最良のはじめ時です。年齢が低いからレッスンに集中できない、高学年だから音感は身につかない・・・など、まだ始まってもいないことを気にしていたら何も挑戦できません。
「興味はあるけど・・・」と躊躇しているなら、最初は「小学生のための6週間バイオリン・レッスン」から試してみましょう。楽器を購入することなくレンタルを利用して1曲弾くまで体験できます。オンラインレッスンなので送り迎えの時間を工面する必要もありません。「うちの子は本当に続けられるかな?」と不安に思う人がのための導入用レッスンです。
6週間バイオリンを弾いてみてもっと続けたい!と思ったら楽器の購入やレッスンの継続を検討してみましょう。まだ早かったかなと思った場合はあと少し成長したらまたバイオリンに触れてみてください。
ゼロから経験して1曲弾けたら自信が持てます。たとえバイオリンを続けなかったとしても、これだけでも大きな成果です。
6週間レッスンは親子とも楽器未経験を前提にカリキュラムを構成しているので、楽器の詳しいことや弾き方など予備知識は不要です。バイオリンを習うハードルを極力なくしたプログラムです。まずはここから始めてみましょう。
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