
ピアノとバイオリンの共通点は「肩の使い方」
- バイオリン・プロジェクト講師チーム
- 上達するバイオリン練習
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ピアノもバイオリンも「肩」を使う楽器
バイオリンとピアノは一見すると異なる楽器に思えますが、両方の演奏に欠かせない共通点があります。それが肩の使い方です。ピアノもバイオリンも、肩を滑らかに動かすことで、演奏が安定し、より美しい音色を出せるようになります。ここでは、ピアノとバイオリンに共通肩の使い方を解説します。肩の体操も紹介するので試してみてください。
ピアノとバイオリンの演奏方法の違いと共通点
バイオリンとピアノは、それぞれ異なる奏法を持つ楽器です。ピアノは鍵盤を指で押して音を出し、バイオリンは弦を弓で擦って音を出します。楽器の発音の仕方や演奏時の姿勢は異なりますが、腕を使うことは共通です。どちらの演奏も腕の付け根の関節だけを動かしていると思われがちですが、ピアノでもバイオリンでも良い音を出すためには骨から大きく動かしています。
ピアノ演奏の場合
ピアノは指先の動きに集中しがちですが、実際は肩や腕の動きがスムーズであるほど、指の脱力ができ、表現豊かな音色が生まれます。肩を意識してリラックスすることで、力みを減らし、安定した演奏ができるのです。
バイオリン演奏の場合
バイオリンの音色を左右するのは右腕の動きです。良い音を出すために右腕で弓の圧力や向き、スピードを調整しています。一見すると弓を前後に動かすだけなのですが、正しい圧力で正しい力の向きで弾けるようになるのは簡単ではありません。良い音で弾けるようになるには、腕ではなく肩を大きく使う必要があります。
ピアノでもバイオリンでも、滑らかな演奏に必要な「肩の動き」とは
共通の合言葉は「脱力」
ピアノを弾く時「手を脱力するのが重要」と良く言われます。脱力とは完全に力を抜くことではなく、リラックスした状態で柔らかく動かすことです。これはバイオリンでも同じで、弓を持つ右腕や右手が脱力できていると自由に弓を操作できます。
しかし「脱力」は簡単ではなく、ピアノでもバイオリンでもなれるまでは逆に力が入りすぎてこわばってしまいます。
「脱力」は力を抜くことではない
実は脱力するために必要なのは、腕の力を抜く努力ではなく、肩の動きです。ここでポイントとなるのは、肩を動かす際に腕の付け根の関節を動かすのではなく、肩甲骨から動かすことです。
肩甲骨から肩全体を動かせるようになると、腕から先は力を必要とせず、省エネで演奏できるようになります。こうなると、腕も手も理想的な脱力ができるようになります。省エネなので演奏中の疲労感も減ります。
腕や手の脱力ができるようになると、ピアノなら鍵盤を叩くく強弱、バイオリンなら弓の圧やスピードを自在に調整できるようになります。
ただ漫然とピアノやバイオリンを練習していても、肩の動きは良くなりません。意識して肩を使うようにしないと、普段使っていない筋肉は簡単には動いてくれません。
練習の前に肩を意識的に動かす体操を取り入れると、少しずつ肩を動かすことに慣れてきます。毎日の練習の前に、下に紹介する体操を試してみてください。
肩の動きを良くする体操
ピアノでもバイオリンでも肩の動きをスムーズにするには、肩の筋肉をほぐし肩の筋肉を正しく動かす必要があります。練習の前の簡単な体操を習慣にするだけでも肩の動きが良くなるので試してみてください。
肩を回すエクササイズ
肩の緊張をほぐすために、両肩を前から後ろへ、後ろから前へと大きく回します。このとき、腕の付け根から回すのではなく肩甲骨から大きくゆっくり回します。
肩をの力を抜く体操
肩を上にぐっと引き上げ、その後、力を抜いてストンと落とします。これを数回繰り返し、肩の力みを取り除きます。
片肩ずつストレッチ
両手を合わせておへその前に伸ばします。次に、右手だけ左手より3㎝前に伸ばします。このとき左肩を後ろに下げずに右手だけが前に出るように右の肩甲骨から右腕を押し出します。右肩甲骨あたりの筋肉がストレッチされる感覚があればOKです。同様に左腕を前に伸ばしてこんどは左肩甲骨あたりの筋肉をストレッチします。
肩の動きが良くなることで、ピアノもバイオリンも、より美しい音色を奏でる助けになります。今日の練習からは、肩を大きく動かすことを意識してみましょう。
もしかして、ピアノを習っていてバイオリンにも興味あるけど、両方習うのは無理だよね・・・と諦めていませんか?実は両立は思うほど難しくありません。
「ピアノとバイオリンを両方習うのは無理じゃない!」でもその理由を解説しているので参考にしてください。
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