体験レッスンの準備とチェックポイント~子どもが習い事を続けられるか見極める
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未経験者がバイオリンを始めたら、最初のうちは毎日10分の練習も体力的に「きつい」と感じるものです。だから最初から「毎日30分!」など背伸びしすぎた練習目標を立てる必要はありません。1日10分の練習ができるよう習慣づけていきましょう。
練習時間は確かに10分でいいのですが、ただ時間を消化するためだけに何も考えずに言われたことを繰り返しても、実はあまり上達しません。
では10分の練習では足りないのかというとそうではなく、10分の練習を「上達する練習」にしていく必要があります。ではそのためにどうするかというと、毎回のレッスンで先生に何かひとつでも質問することで、毎日の練習が「上達する練習」になっていきます。
質問するって、簡単なようで実は難しいのです。何も考えずにダラダラと練習しているうちは何の質問も思いつきません。でも「いま先生やお手本動画と同じように弾けてる?」「この部分がどうしても動画と同じに見えない」等、いまの弾き姿がどんな状態かを考えると少しずつ「あれ、どうして??」と思う部分が出てきます。その疑問を次のレッスンで先生に質問しましょう。
質問のために専門的なことを勉強する必要はありません。「ここがうまく弾けないけど、どうしたらスムーズに弾けますか?」「持ち方に自信がないけど、あってますか?」等、自分ができてないと思う部分を見つけておけば十分です。
と、多くの人が思っているかもしれません。質問をすると「『説明したのに分かっていない』『この人は、説明を理解できない』と思われているのでは・・・?」と、つい質問を躊躇してしまいます。そして「質問はありますか?」と聞かれると反射的に「ありません」「大丈夫です」と答えてしまいます。
でも、誰でも最初は未経験者です。何も知らない状態からバイオリンを始めたら、1回の説明だけで完璧に理解して完璧に弾ける人はいません。気づかないうちに悪い癖が出てくるし、指示通りのことをしても先生と同じにならなかったり、何度やっても難しく感じられたり、つまづきを一つずつ乗り越えて上達していきます。
最初から全部できるスーパーマンはいませんから「自分が分かっていないこと」「自分ができていないこと」を「分かるように説明してほしい」「どうして難しいのか教えてほしい」と質問するのは何もおかしなことではありません。むしろ質問がある人のほうが「良く考えて練習しているな」と評価できるのです。
実は「自分は何ができていないか」を知ることは、上達を目指すうえでとても大切です。「できていないこと」を練習してできるようにすれば、一歩前進です。
「どこがうまく弾けないのかな」「何か理解があやふやなところはあるかな」と考えて、質問するポイントを見つけられたら、上達のカギを一つ見つけたのと同じ。
一方で「何ができている」「できていない」を理解していなかったら質問することも見つかりません。だから質問するためには、実はすごく頭を使うのです。ただ言われたことを惰性で弾いているだけは質問は浮かんできません。「毎回ここが難しい」「なかなかスムーズに弾けない」「音がガリガリする」と思っていることを改めて意識する必要があるのです。
「いや、本当に質問することは何もないよ」と思っていても、実は無意識に「分かったふり」をしていることは多々あります。とくに質問は恥ずかしいと感じていると「質問はないはず」と自分で勝手に思い込んでしまうのです。
ですから、質問することを見つけるのはとても難しいことなのです。
はるか2500年前、孔子は言いました。「・・・知らざるを知らずと為す是知るなり」つまり、知らないことを知らないと認めることが知ることの第一歩なのだ、と。
バイオリンも同じです。できないことを見つけたら、それが上達の第一歩。最初のうちはできないことだらけですから、上達のカギはたくさん見つけられるのです。
子どもがバイオリンを弾くのが未経験者なら、親もバイオリンのサポート未経験者です。お互いに未経験からのスタートですから、親も最初からうまく練習をサポートできるなんてことはありません。だからサポートの仕方で分からない、うまくできないことがあったら、これもどんどん質問しましょう。
大人はつい「未経験だから教えられない」と諦めがちですが、未経験から始めた最初の練習で親の役割は「弾けること」ではなく「観察すること」です(こちらの記事もご参照ください)。親がバイオリンを弾ける必要はありませんが、子どもの弾き姿を観察して、どこがうまく弾けていないのか、姿勢が崩れていないかを観察して見つけてあげてください。
弾いている本人は、弾くことに必死で考える余裕はなく、なかなか欠点に気づけません。質問する内容を大人が代わりに見つけてあげる役割分担をしてもいいでしょう。
専門的なうんちくは必要ありません。まずは主観的なもので構わないので、できていないポイントを見つけてみましょう。弾いている姿がカッコよく見えない、音がきれいに聞こえない、音程が合っているように思えない・・・その違和感はけっこう正しいものなのです。
練習中は弾いている子どももサポートする親も弾くことに手いっぱいなので、動画を撮って見比べてみてください。
上手く弾けたときの動画と上手く弾けないときの動画、またはレッスンのお手本動画と比べてもいいでしょう。
楽器を下ろして落ち着いた状態で観察すると、演奏中に気づかなかった欠点が見えてきます。
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