1人でバイオリンを弾く女性

バイオリンを独学で弾くのは無理?

独学の条件と、意外な近道

バイオリンは他の楽器と比べても技術が要求されるため、全くの未経験者が独学で身に着けるのは相当難しいと言えるでしょう。早く上達したい、希望の曲を弾きたいと思うなら、最初の導入部分だけでも習ったほうが近道です。何が正解か分からないまま練習しても上達しませんし、最初は自分の癖にも気づけません。

とはいえ、バイオリンの独学に関心を持つ人は多いので、ここでは独学で学ぶために最低限必要なステップを紹介します。そのうえでバイオリンの独学ができるのか、最初だけでも習うべきかの判断材料にしてください。

バイオリンに必要な最初の基本

バイオリンを演奏する前に、最初に習得しなければならない基本があります。習い始めると最初に誰もが苦労するポイントです。曲を弾く以前の問題なので早くマスターしたいところですが、独学だと正しい形が分かりません。

1.楽器の準備やお手入れ方法を知る

まずは、バイオリンという楽器自体の扱い方を学ぶ必要があります。バイオリンは繊細な楽器で、扱い方を間違えると楽器を傷めたり、音が出にくくなることがあります。調弦のやり方が分からなければ、そもそも正しい音がでません。

 2.楽器の構え方をマスターする

バイオリンは正しい姿勢で構えなければ、音が安定せず、演奏も難しくなります。1回練習したくらいで正しい構えができることはなく、毎日練習して少しずつ慣れていきます。間違った形で練習を続けると間違った形で覚えてしまうので、正しい形で練習し続けることが重要です。

3.正しいボーイング(運弓)をマスターする

弓の運び方(ボーイング)は、バイオリン演奏において非常に重要です。まっすぐ弓を動かすことや、弓の角度や圧力を調整する技術が必要です。初心者がつまずきやすいポイントでもあります。

 4.弦のどこを押さえたら何の音が出るのかを知る

バイオリンの指板上でどこを押さえるとどの音が出るのかを理解することは、正確な音程を取るために必須です。ギターのようはフレット(目印線)がないため、耳で音程を聞き分けながら正しい場所を探さなければなりません。初心者はシールを貼って押させる位置を練習しますが、そもそもシールを貼る位置が分からないと始まりません。

5.楽譜を読めるようになる

楽譜を理解できなければ曲を弾けません。楽譜が分からなくても押さえる位置と順番が分かれば確かに曲は弾けますが、再現性の低い習得法なのでお勧めしません。少なくとも楽譜は誰かの手助け無くても読める状態でないと独学は難しいでしょう。

2.バイオリンを独学で学ぶ障壁

バイオリンを独学で学ぶのは、他の楽器と比べても難易度が高いと言われています。その理由は、いくつかの大きな障壁があるためです。

1.正しい形がわからない

独学の場合、誰かに見てもらうことができないため、バイオリンの構え方や弓の持ち方などが間違っていても自分では気づけません。形が崩れていると練習しても上達しないので、正しい形の理解は必須です。

2.指遣いがわからない

指板上での正しい指の位置が分かっても、弾きやすい指順を知ることが難しく、楽譜を読めてもどう弾いたらよいか独学では分かりません。弾きにくい弾き方を続けることにもなり、上達が遅れます。

3.基礎練習がわからない

演奏技術に直結する音階等の練習方法を知らないと、技術の積み重ねがないので曲を弾いても上達しません。いつまでも初心者の弾き方を続けていても、かえってバイオリンが楽しくないかもしません。

独学でも上達できる条件

独学でバイオリンを弾くには最初に基本形を覚えることに時間がかかりすぎる難点があります。それでも、下のような条件を満たしているなら独学でも手ごたえがあるでしょう。

1.過去に習ったことがある

過去にバイオリンを習った経験があるなら何をどうすればいいのか基本がわかるので独学でも上達できるでしょう。幼少期に少し習っただけでは基本を理解していなかったかもしれないので、そうなると難しいかもしれません。

2.身近にバイオリンについて質問できる相手がいる

独学でも、身近にバイオリンを弾ける人がいると心強いです。ただ、あれもこれもと教えてもらおうと思うなら相手にも負担になります。専門の教室で習ったほうがよいでしょう。

3.独学のプロセスを楽しめる人

よほど意思の強い人でない限り上達の実感がないまま続けていてはいずれモチベーションを失います。早く弾けるようになるより、独学で弾けるようになる過程を楽しめる人なら、上達が遅くても続けていけるでしょう。

近道は、最初の導入だけ習って独学で続けること

バイオリンを完全に独学でバイオリンを学ぶのは実際とても非効率です。独学がいいという理由があるなら、完全に独学ではなく最初の導入だけきちんと習って、それから独学で続けるというハイブリッド学習をお勧めします。

例えていうなら、自転車の乗り方を覚えるまでは人に助けてもらって、乗れるようになったら好きなように独自でサイクリングするイメージです。バイオリンも、弾き方の基本が分かれば独学でできることも増えてきます。

とはいえ教室に入会して最初だけ習って「辞めます」というのは気が進まないでしょう。独学が目的なら「小学生のための週間バイオリン・レッスン」を利用してみてください。上に挙げた基本形はすべて指導を受けられるうえ、1曲弾くまでの過程を実践できます。楽器のレンタルも含まれるので、楽器を選ぶ前に弾いたイメージが明確になります。文字通り小学生が対象のプログラムでですが、それ以外の年齢でも受講は可能です。申込時に通信欄に「独学希望」と入力してください。

6週間レッスン終了後も、1曲だけ弾きたい、1ヶ月だけ指導を受けたいなど要望に応じた短期レッスンを受けられます。独学で続けて行き詰った時にスポット的にプロに頼る、というやり方なら着実に進んでいけるでしょう。あまり時間をかけたくない最初の導入だけ、プロの力を利用して始めてみませんか?

 

基本形ができているか、確認したい

独学でバイオリンを始めてみたものの、持ち方やボーイングが正しくできているか自信がない・・・なら、単発レッスンでプロのチェックを受けてみましょう。

バイオリンを演奏するリスのイラスト

「バイオリンをもっと身近に感じてほしい」の思いを持ったバイオリニストによる講師チーム。オンラインならではの教え方を工夫しています。日本国内だけでなく海外からもレッスン実施中。