バイオリン初心者必見!「毛替え」とは?いつ、なぜ必要なの?
弓の「毛替え(けがえ)」とは何か?
バイオリン初心者が、意外と見落としがちなのが、弓のメンテナンス。なかでも大切なのが「毛替え」です。
毛替えとは、バイオリンの弓に張られている馬の毛(弓毛)を新しい毛に交換する作業のことです。
バイオリンの弓毛には、モンゴルやシベリア産の白馬の尻尾の毛が使われています。弓毛は、弦を引っ掻いて音を作る重要な役割を担っています。弓毛は消耗品です。使用とともに劣化するので定期的に交換が必要になります。この弓毛を交換することを「毛替え(けがえ)」といいます。
初心者こそ知っておきたい!毛替えが必要な理由
答えは「弓毛は消耗品だから」
「プロみたいに演奏すわけではないから、毛替えは必要ないのでは?」
「まだ始めたばかりだし、毛替えなんて早いのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、バイオリンの弓毛は思っている以上に消耗品。以下の理由から、定期的な毛替えが必要です。
(1)毛が摩耗したり切れてしまうから
演奏中、弓毛は常に弦とこすれています。すると毛がすり減ったり、途中で切れてしまうことが増えていきます。
毛が減ると、弦にかかる圧力が不均等になり、音が出しにくくなったり、弾き心地が悪くなります。
(3)汚れや油分がたまり、松脂がつきにくくなるから
弓毛が汚れると、松脂がつきにくくなります。適度な松脂がないと音を鳴らせません。弓毛の汚れは落とせないので、毛そのものを交換する必要があります。
(4)毛の張り方が不均一になるから
使い続けるうちに毛が不均一に伸びたり、テンションがバラバラになって、狙った音が出しにくくなります。これは、音程や表現力の妨げになります。
初心者は、いつ毛替えすべき?
バイオリンの経験が浅くても、半年〜1年に1回の毛替えが目安です。次のような劣化の症状が現れたら楽器店で毛替えを予約しましょう。
こんな症状が出たら要注意
◆松脂を塗っても音がかすれる
◆弓毛が何本も切れている
◆音がこもっている、発音が不安定
◆弓を張ってもたるみや張りムラがある

毛替えはどこでできる?自分でできる?
購入した楽器店に依頼する
毛替えが必要なことは分かった。次の疑問は「毛替えってどこでやるの?自分でできるの?」です。
結論から言うと、毛替えは専門の技術が必要なため、自分でやることはおすすめできません。
弓の毛を均一なテンションで張るには、専用の工具と経験が必要で、うまく張れていないと音質や弾き心地に悪影響が出てしまいます。
では、どこに頼めばいいのでしょうか?
まずは楽器を購入したときの楽器店に相談しましょう。メンテンナンスの相談がスムーズです。料金や日数、仕上がりの違いなども丁寧に教えてくれます。
毛替えには1~2週間かかることもあるため、タイミングを見て早めに予約するようにしましょう。
楽器のメンテナンスの知識はどこで得る?
疑問に思うことを「聞いてみる」が近道
楽器の知識がないとメンテナンスもついおろそかになりがちですが、初心者は「知識がない」と焦る必要はありません。とはいえ、個人の楽器について「そろそろ毛替えしたほうがいいよ」「弦も交換どきだね」と逐一教えてくれる人はいません。ではどうやって楽器の知識を得たらいいのでしょうか。
少し突き放した言い方をすると「自分で学ぶ」しかありません。楽器の仕組みを小難しく勉強するのではなく、「あれ?」と思ったときに専門家に聞けばいいのです。専門家って誰と思うかもしれませんが、楽器を購入した楽器店が相談に乗ってくれます。
明確な疑問でなくても、次のような症状があったら、その状況を伝えてみましょう。症状について説明してくれますし、必要なメンテナンスの提案もしてくれます。
こんな時は専門家に相談
◆音の響きが悪くなった気がする
◆なんとなく弾きにくい
◆毛替えのタイミングが分からない
◆弦の交換タイミングが分からない
◆雑音が混じる
状況によっては楽器に付着した松脂を拭き取っただけ、アジャスタのネジを締めただけ、という簡単なお手入れで改善することもあります。「なーんだ!そんなことか!」という経験も大事な学び。こうやって少しずつ知識と経験値が増えていきます。
家で簡単にできるメンテナンスは「楽器を良い状態に保つために」のカテゴリーでも紹介しているので参考にしてください。
ピアノと違ってバイオリンは個人でメンテナンスすることが多い楽器です。手がかかるから面倒という印象を持つかもしれませんが、そうやって育てて音を作っていく楽しみがある楽器とも言えます。

バイオリン・プロジェクト講師チーム



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