チェックリストと赤ペン

体験レッスンの準備とチェックリスト

体験レッスンで確認すべきこと

楽器の習い事の場合は、多くの人が体験レッスンに参加して入会するかどうかを検討します。特に子どもの場合は本人が「やりたい」と言っても本気度も不確定なので、「続けられるのか」どうかは事前に確かめたいものです。

一方で、1回限りの体験レッスンで決められるかどうか分からない・・・と不安に思う人が多いのも事実。分からないから体験レッスンの申込さえ躊躇してしまいます。

多くの教室で体験レッスンは1回のみです。1回の体験から教室に入会するのもしないのも適切な判断をするには、事前に少し準備をしておくことをお勧めします。

ここでは、体験レッスンの機会を最大限活かすための準備と当日のチェックポイントを解説します。

体験レッスン当日の注意

体験レッスンを受ける前に以下の準備を整えておきましょう。レッスン時間は短いので、その場で着替えたり整えたりしては体験時間が少なくなってしまいます。

1.服装

楽器の体験レッスンに行くときは、演奏の妨げにならない服装を選びましょう。服が邪魔になって正しい練習ができないようでは、これから習い事をするイメージを持てません。とくにバイオリンは首周りを使って楽器を固定するため、以下の服装は避けましょう。

2.楽器の扱い方 

体験レッスンで楽器に触るのが初めてという人も多いでしょう。バイオリンは幼少期から習うイメージが強く、そのため「小さな子どもが使うのだから頑丈なもの」と思われることも多いのですが、実際はとても繊細な楽器です。正しく扱わなければすぐに不具合が生じたり、楽器の破損の原因にもなります。

本物の楽器が目の前にあったら子どもも興奮して触りたくなるかもしれませんが、講師の指示があるまで楽器に触らないようにしましょう。

バイオリンを習うようになったら家でも楽器を管理することになります。体験レッスンでは、正しい扱い方を確認しておきましょう。

体験レッスンの場で子どもが楽器の扱いの約束を守れないようであれば、バイオリンを習うのはまだ早いと判断すべきかもしれません。

3.保護者は見守るのでなく、一緒にバイオリンを習う意識で参加

子どもがバイオリンを習う場合、初心者のうちは保護者の関与が欠かせません。スイミングやピアノなど他の習い事の多くは先生にお任せして保護者は見守るだけですが、バイオリンの場合は保護者が指導しなければ家で正しい練習はできません。

「バイオリンの経験がないから不安」と遠慮して何もしないのは逆効果です。初心者のうちは姿勢と持ち方がすぐに崩れて直せないので、放置すれば悪い癖がつき上達を妨げます。

バイオリンは姿勢や力のバランスがとても重要な楽器です。教室で子どもの練習を見て覚えたつもりになっても、自分の手を動かさなければ家で同じ練習を再現できません。これから習い事を始めるなら保護者は家で一緒に練習することになりますので、次で紹介するポイントを体験レッスンで確認しましょう。

体験レッスンではここをチェック!

1.子どもの動きをサポートしてみる

講師が子どもに指導することを、保護者も同じように体を動かして再現してみましょう。大人には簡単な動きでも子どもには理解できていないことがあります。

講師の指示通りのことができていないと思ったら、保護者が子どもの腕や体を動かして正しい動きをサポートしましょう。それが家でも必要な練習のやり方です。このとき子どもが保護者の関与を嫌がるようなら、バイオリンの習い事には少し時期が早いかもしれないと判断できます。

2.音を出せるようになるまでの具体的なプロセス

多くの体験レッスンでは音を出して「バイオリン楽しい!」というポジティブな体験で終わることが多いのですが、実際にバイオリンを習い始めると、最初は音を出さず持ち方の練習からスタートします。音を出さないので子どもには面白くない内容です。教室の方針にもよりますが、正しい持ち方ができないうちは音を出す練習に進まないこともあります。この場合、年齢差や個人差はありますが、低学年生や未就学児なら1ヶ月以上音を出せないかもしれません。音を出せるようになっても、次は「正しく1音を弾く」が難しく、これをクリアしないと次の音に進みません。

体験レッスンでは、どんな練習をしていつ頃から音を出せるようになるのか講師に質問してみましょう。加えて、音を出せるようになるまで家でどんな練習をするのかも想像してみましょう。この時、子どもは飽きずにその練習ができそうでしょうか?うちの子は飽きてしまうなと思ったら、バイオリンを習うにはまだ早いかもしれないと判断できます。

3.「保護者が理解できる」も重要なポイント

体験レッスンでは、習い始めた最初の1ヶ月のレッスン内容と家での練習法を尋ねておきましょう。バイオリンには保護者の関与が欠かせません。しかし、多くの保護者はバイオリンどころか楽器経験もありません。

このとき、講師や教室運営者が保護者にもわかるように具体的に説明してくれるかも、重要なポイントです。レッスンに通う回数より家で練習する回数のほうが圧倒的に多いのですから、家で練習できなくては上達できません。子どもだけでなく保護者も「これならできる」と自信を持てることは重要です。

小学生のための6週間バイオリン・レッスン」の場合は、体験レッスンでも実際のレッスン内でも、子どもだけでなく保護者にも具体的な練習方法を指導しています。「ここは写真に撮っておくと良い」という練習のヒントや、楽器未経験の親のための練習のチェックポイントをお伝えしているので、こちらの体験レッスンも試してみてください。

予算は事前に調べておく

体験レッスンで子どもがやる気になっても、予算と合わずに断念するようでは、子どもの気持ちも親の気持ちも消化不良になってしまいます。予算については事前に確認しておくことをお勧めします。

1.レッスンの予算

教室のホームページにはたいていレッスン費用が掲載されています。まずここをチェックしましょう。

発表会等、レッスン費以外で教室に対する支払いが発生することがあります。この費用もチェックしておきましょう。特に掲載がないようなら、体験会当日に尋ねてみましょう。

2.楽器の予算

楽器を購入するか、レンタル品を借りるか、購入するなら新品か中古かで価格帯が異なります。楽器に詳しくなる必要はありませんが、購入やレンタルの考え方を知っておくだけでもご家庭ごとの予算を考えるきっかけになります。

初心者用の楽器の費用については「初心者向けのバイオリン、お値段いくら?~予算と選び方のコツ」でも解説しているので参考にしてください。

また、子ども用サイズ(分数楽器)から使い始める場合は成長に合わせてサイズが変わります。子ども用サイズの目安については「子ども用バイオリンのサイズは何種類?選び方は?」でも解説しているので参考にしてください。

習い始める最適年齢は、子どもによって違う

体験レッスンに参加した結果「うちの子にはバイオリンはまだ早いかも」と思った場合、それは「まだ早い」だけで「バイオリンは無理」ということではありません。持ち方や姿勢など低年齢では理解が難しい部分があるため、精神的に成長してからのほうがスムーズに始められます。年齢が低いほどその個人差も大きいので、ほかの子が何歳で始めたかはあまり参考になりません。

バイオリンを始める年齢については「バイオリンは何歳から習うのがベスト?~子どもが楽しく続けるためのポイント」でも解説しているので参考にしてください。

バイオリンを演奏するリスのイラスト

「バイオリンをもっと身近に感じてほしい」の思いを持ったバイオリニストによる講師チーム。オンラインならではの教え方を工夫しています。日本国内だけでなく海外からもレッスン実施中。