マイクと音波のイラスト

Zoomの雑音抑制(ノイズキャンセリング)を最小化する~音楽レッスンに必須の設定

Zoomはデフォルトで雑音抑制(ノイズキャンセリング)がON

Zoomはとても便利で、難しい設定を自分で行わなくても、会議や授業で話している人の声がクリアに聞こえます。これはZoomの雑音抑制(ノイズキャンセリング)機能が働いているおかげです。

Zoomをインストールしただけのデフォルト状態で、この雑音抑制機能は有効化されています。つまり、何も設定を変えなくても、Zoomを立ち上げただけで周囲の雑音を抑制してくれます。

雑音抑制のレベルは調節可能です。雑音抑制を強くするとキーボードをたたく音なども消してくれますが、弱くするとキーボード音くらいの小さな雑音ならは声と一緒に聞こえてきます。デフォルトでは抑制機能を自動調整する設定で、環境に応じて抑制レベルを調整してくれます。

Zoomでバイオリンのレッスンを受講するときの注意

雑音抑制はオンライン会議や授業では便利な機能ですが、楽器のレッスンを受けるときには少々厄介です。

とくにバイオリンの音は、Zoomで「雑音」と認識されて音が消されてしまいます。バイオリンが上手いとか下手とか熟練度は関係ありません。「人間の声ではない=雑音」なので、自動的に消されてしまいます。

すると、レッスン中に「講師の声は聞こえるのに、バイオリンの音だけ聞こえない」という奇妙な現象がおこります。どれだけ強く音を出しても、バイオリンの音は全く聞こえません。でも講師との会話は問題なく通じます。

バイオリンの音が聞こえない状態では正しくレッスンできないので、Zoomでバイオリンの音が聞こえるようにあらかじめ雑音抑制(ノイズキャンセリング)機能を最小化しておく必要があります。この最小化の方法を下で紹介します。

雑音抑制(ノイズキャンセリング)を最小化する方法

バイオリンの音がZoomに消音されないようにするには、Zoomの音声設定を変更する必要があります。PCとスマートデバイスとでZoomの画面が異なるので、以下にそれぞれのやり方を紹介します。

<1>PCの設定方法

PC用Zoomの音声設定は、Zoomのミーティングが開始された状態で行います。レッスン中に設定していると余計な時間を使ってしまうので、レッスン前に自分で他の参加者のいないミーティングを立ち上げて、音声設定を変更しておきましょう。

【設定方法】
PCでZoomミーティングが開始されたら、画面左下の「ミュート」ボタンの小さな矢印をクリックします。

開いたメニュー内の「オーディオ設定」をクリックします。

「オーディオプロファイル」の「バックグラウンドノイズ抑制」で「低(かすかな背景雑音)」を選択します。

Zoom音声設定の画面見本
Zoom音声設定の画面見本

 

これで、雑音抑制機能が最小化されました。この状態でミーティングを行うと、背景の雑音が消音されずに他のミーティング参加者に聞こえるようになります。バイオリンのレッスンでは必要な設定ですが、通常のミーティング時には雑音抑制を戻した方が良いかもしれません。

<2>スマートフォン、タブレットの設定方法

スマートフォンたタブレットの場合はミーティング開始前【A】と開始後【B】の両方の操作が必要です。

ミーティング開始前の操作【A】のみではノイズキャンセリングは有効のままです。開始前の操舵【A】だけ完了していても、開始後の操作【B】がなければバイオリンの音はやはり消音されてしまいます。

反対に、ミーティング開始前の操作【A】が正しく行われていないと、ミーティング開始後に【B】の操作に必要な画面が表示されません。スマートフォンやタブレットで雑音抑制(ノイズキャンセリング)機能を最小化したい場合は【A】と【B】の両方をセットで操作してください。

【A】ミーティング開始前の設定

Zoomアプリ画面下部の「詳細」から「オーディオ設定」を開き、オリジナル音声(雑音も含むすべての音)を使用できるように設定を変えます。この時点では「オリジナル音声を使用するオプションが追加された」だけなので、デフォルトの雑音抑制(ノイズキャンセリング)機能は有効のままです。

★iPhone の場合
画面下の「詳細」→「オーディオ設定」→「オリジナルサウンド」にチェック

Zoomノイズキャンセリングの設定変更時のiphone画面
iPhone設定(1)
Zoomノイズキャンセリング設定変更時のiphone画面
iPhone設定(2)

★Android の場合
画面下の「詳細」→「ミーティング設定」→「オリジナルオーディオを使用」をON

Android設定(1)
Zoomノイズキャンセリング設定変更時のAndroid画面
Android設定(2)

【B】ミーティング開始後の設定

【A】の設定でオリジナル音声を有効化するオプションが使えるようになりましたが、それだけではまだそのオプションはOFFのままです。ミーティングが開始されたら、ミーティング設定画面でオリジナルサウンド(またはオリジナルオーディオ)を有効化するためのオプションをONにします。

★iPhone の場合
画面下の「詳細」→「オリジナルサウンドを有効にする」をタップ→「オリジナルサウンドを無効にする」と表示されたらOK

★Android の場合
画面下の「詳細」→「オリジナルサウンドを有効にする」をタップ→「オリジナルサウンドを無効にする」と表示されたらOK

Zoomノイズキャンセリング設定変更時のiphone画面
iPhone設定(3)
Android設定(3)

スマホ・タブレットの場合は「オリジナルサウンド」表示に注意!

オリジナルサウンド」とは、雑音抑制はされていない素のままの音という意味です。これを「有効」にすれば、周囲の雑音も含めて素のままの音が採用されるので、バイオリンの音も消音されません。

画面上に「オリジナルサウンドを有効化」と表示されている状態はオリジナルサウンドを「有効化する前」の状態(つまり無効)です。「オリジナルサウンドを有効化」という表示されていたら雑音抑制機能が働いているのでバイオリンの音は消えてしまいます。

オリジナルサウンド有効化した後は「オリジナルサウンドを無効化」と画面に表示されます。「・・・無効化」を再度タップするとまた「・・・・有効化」の表示になります。

少しややこしいのですが「・・・有効化」と表示されているうちはまだ有効ではないのでご注意ください。

オリジナルサウンドが有効な状態では、バイオリンの音(オリジナルサウンド)を有効な音として使われます。これでZoomレッスンでもバイオリンの音が消されずに届くようになりました。

ノイズキャンセリングを最小化したら、実際の聞こえ方をテストする

Zoomの雑音抑制(ノイズキャンセリング)機能の最小化は、設定できたと思っても正しく設定されていないことがあります。日本語の表記が分かりにくく、最小化したつもりで実際はノイズキャンセリングがONのままかもしれません。

本番のミーティングやレッスンが始まってから「バイオリンの音だけ聞こえない!」という事態が起こっても、設定を直している余裕はないかもしれません。

Zoomには「テストミーティング」の環境があって、これを使えば雑音抑制(ノイズキャンセリング)機能だけでなく、カメラやスピーカーの設定含めて事前に確認できます。

テストミーティングのやり方は「Zoomテストミーティングのやり方~事前にオーディオの設定を確かめる」でも紹介しているので参考にしてください。

Zoomアップデート等で設定はリセットされる

Zoomは日々進化しています。アプリのアップデートが入ると、画面の表示が変わったり、場合によっては雑音抑制機能がデフォルト状態、すなわちON(有効)に戻ってしまうことがあります。

「バイオリンの音が聞こえるようノイズ抑制機能を最小化したはずなのに、今日はバイオリンの音が聞こえない」という場合は、音声設定を改めて確認してみてください。雑音抑制がONに戻っていたら、もう一度設定する必要があります。

ちなみに、当ページの画像は、2022年11月のZoomアップデート直後の画面です。以降のアップデートによってはまた画面表示が変わるかもしれませんが、基本の機能は大きく変わらないので、上記を参考に設定してみてください。

オンラインレッスンをさらに快適に

当ページではZoomの雑音抑制機能の調整方法を紹介しました。Zoomをスマホで利用する場合はスマホ画面をテレビに投影する方法があります。大きなテレビにZoomが映ればオンラインレッスンも見やすく快適になります。

テレビ投影の方法は「スマホの画面をテレビに投影~オンラインレッスンを快適に受講する裏技」で紹介しているので参考にしてください。

バイオリンを演奏するリスのイラスト

「バイオリンをもっと身近に感じてほしい」の思いを持ったバイオリニストによる講師チーム。オンラインならではの教え方を工夫しています。日本国内だけでなく海外からもレッスン実施中。