家庭でできる、レッスン環境のアップグレード
小型でも鮮明な画像で高速通信できるスマートフォンは、レッスン受講にも使える優れた機器ですが、良好なレッスン環境を整えるため、実際のレッスンに使う際は、下の3点にご留意ください。
1.スマホは目線の高さに設置
スマホは少なくとも胸の高さに合わせて設置してください。テーブルや机に置いただけだとまだ低すぎます。レッスン中は、左手の手先、右手の動き方など、講師が細かい動きをチェックしています。机やテーブルに置くだけだとカメラの位置が低すぎて、左手や右手の動きが講師に見えません。
また、目線より低い位置に画面があると、レッスン中はバイオリンを弾きながら目線が下がり、姿勢が悪くなります。姿勢が悪くなると正しい音を出せないので、目線が下がらないよう、スマホは高い位置に画面を設定してください。
このとき、あると便利なのが譜面台やカメラの三脚です。
譜面台を使うなら背面がボード状のものだとスマホが落ちないのでお勧めです。三脚を使うなら、スマホを固定するヘッド部分は自撮り棒から流用すると便利です。画面の角度を調整できるので、レッスンを受講しやすく且つ受講者の動きが分かりやすい角度で設定できます。
三脚に、自撮り棒のヘッドを取り付けて使用
2.スマホから距離をとる
スマホの画面は小さいので、レッスン中はスマホの近くに寄って講師の説明を聞きたくなりますが、カメラに近づきすぎると左手の先や右手の動きが画面から見切れてしまいます。スマホのカメラに左手の先や弓を弾き下ろしたときの右手がすべて収まるよう、カメラから距離を取ってください。
スマホの画面から離れると、小さい画面は見づらくなります。その場合は、スマホをテレビに接続して、スマホの画面をテレビに映し出すことをお勧めしています。
スマホの映像をテレビの画面で
スマホ画面の投影に必要なのは、テレビ用のHDMIケーブルとスマホ用のコネクタです。テレビのHDMI入力端子とスマホをケーブルでつなぎ、テレビの設定をHDMI入力を映すようにします。いずれもAmazonなどネットショッピングや家電量販店で1000円程度から売られています。機種によってケーブル類の種類が異なるので、こちら(PC周辺機器「サンワダイレクト」のサイト)で必要なケーブル類の詳細をご確認ください。
HDMIケーブル(奥)とスマホ用コネクタ(前)
3.部屋は明るく
スマホ画面は明るいので、部屋が多少暗くても受講者側ではレッスンの指示は分かります。しかし、講師側で見ている画像は暗くて、レッスン生の左手や弓と弦の設置面など細部の動きが見えません。通常の部屋の照明で構いませんので、室内を明るくして受講してください。
暗い部屋では、受講者の動きが分かりません ©photolibrary