3枚の楽器クロス

楽器クロスの使い方~バイオリン初心者必見!忘れちゃいけない毎日のお手入れ

楽器クロスのお手入れは全員必須

バイオリン初心者の多くは、バイオリンを購入した際に楽器クロスが付属していたか、または教室で楽器クロスを用意するようアドバイスされて楽器クロスを購入します。でも、楽器をクロスを何にどう使うのか、よくわかっていないことも少なくありません。

楽器クロスは毎日のお手入れに使います。楽器の手入れなんて毎日じゃなくてもいいのでは?お手入れするような高級楽器を使っているわけじゃないし・・・と思うかもしれませんが、どんな楽器でも毎日お手入れは必要です。難しいことではないので、演奏の後は楽器クロスでお手入れするよう今日から習慣づけましょう。

楽器クロスでの拭き掃除が必要な理由

バイオリンを演奏すると、弓に塗った松脂が楽器本体に落ちたり、弦に付着したりします。人間の手は結構汗をかいているのですが、演奏していると手の汗や皮脂が楽器に付着します。これらを放置するとバイオリンの音質や見た目に悪影響を与えるため、演奏後は必ず楽器クロスで拭き掃除をします。

楽器クロスは用途に応じて2枚を使い分け

バイオリンをしっかりケアするためには、異なる用途に合わせて2枚のクロスを使い分けることがポイントです。

1.松脂を拭き取る部分用クロス

演奏後、弓に塗った松脂がバイオリンの表面や弦に付着します。この松脂を拭き取るために、専用のクロスを使用しましょう。松脂が残ると、音質が悪くなるだけでなく、バイオリンのニスや表面が傷む原因にもなります。

部分用クロスで拭き取る箇所は次の2箇所です。

①弓の木(毛に面した部分)
②バイオリンの弦(弓が当たっていた周辺)

演奏後は、弓の木とバイオリンの弦や表板に粉砂糖のような状態で松脂が付着しています。弓に塗った松脂が、弦と擦れることで弦や表板に降り積もるのです。初心者でボウイングが不安定なうちは指板のほうへ弓が逸れるので、指板にも松脂が付着していることがあります。その場合は指板の松脂も忘れずに拭き取りましょう

松脂の汚れは埃を巻き込んでますます見栄えが悪く汚れていきます。新品の弦でも松脂だらけでは音が悪くなります。

この松脂を放置しておくとベタベタのままこびりついて取れなくなります。楽器を演奏後、ケースに片づける前に部分用クロスで松脂を拭き取りましょう。

バイオリンの駒付近のアップ画像
弓が当たっていた弦の周りの松脂をふき取りましょう

2.手の汗や皮脂を拭き取る全体掃除用のクロス

もう1枚のクロスは、バイオリン全体の拭き掃除に使います。松脂を拭く部分用クロスは松脂がたくさん付着しているので、全体の拭き掃除には別のクロスを用意してください。部分用には小さなクロスでも支障はないのですが、こちらは大きめのクロスがあると使いやすいです。

楽器には手の汗や皮脂が付着しています。汗や皮脂がバイオリンに残ったままだと、ニスの変色やひび割れが生じやすくなり、楽器自体の寿命が縮んでしまう恐れがあります。とくに触ることの多いネック部分は良く拭いておきましょう。弦に汗が残っていると錆びやすくなり、弦の寿命を縮めてしまいます。

全体掃除用クロスで拭き取る箇所は次の2箇所です。

①ネック
②バイオリン表板(部分用クロスで拭いた箇所を除く)
③バイオリン裏板
④バイオリン側面
⑤顎あて
⑥ペグ

顎あてやペグは拭き掃除を忘れやすい部分なのですが、これらも忘れずに拭き掃除をしておきましょう。 

楽器クロスはどこで買う?

楽器店で買うなら楽器専用のクロス

最も安心なのは、楽器店で販売されている「バイオリン専用クロス」です。これらはバイオリンに最適な素材でできており、表面を傷つけることなく、松脂や汗を効果的に取り除くことができます。初めてのバイオリンを長く美しく保つためには非常におすすめです。

100均の眼鏡拭きやファイバークロスでも代用OK

適切な拭き掃除ができればいいので、楽器専用クロスでなくても構いません。たとえば100均で売られている眼鏡拭きクロスでも代用できます。柔らかい素材で、バイオリンの表面を傷つけることなく掃除ができます。小さすぎるサイズは掃除がやりにくいので気をつけましょう。

他にも、全体掃除用には家具用マイクロファーバークロスも使えます。比較的大判で使いやすく、楽器を傷つけずに皮脂汚れを取れます。

楽器のお手入れにNGなのは・・・

楽器のお手入れに使うものとしてはタオル地やティッシュペーパーは不向きです。これらは拭いた後に繊維が残ってしまうため、汚れを取り去るどころかかえって汚れを悪化させます。楽器のお手入れに適切なクロスを使うようにしましょう。

バイオリンを演奏するリスのイラスト

「バイオリンをもっと身近に感じてほしい」の思いを持ったバイオリニストによる講師チーム。オンラインならではの教え方を工夫しています。日本国内だけでなく海外からもレッスン実施中。