カレンダーと時計と砂時計のイラスト

初心者の練習時間は1日10分~短時間でも効果的な練習にする方法

楽器の習い事が初めての人は、まず「10分の練習」を習慣づける

バイオリンに限らずピアノでも同じですが、楽器の習い事が初めてなら、毎日の練習は「10分」を目標にしましょう。

なぜ「10分」かというと、楽器の習い事が初めての場合は「毎日の練習を習慣づけること」が最初のハードルだからです。

初めてバイオリンを練習したその日から苦も無く練習を続けられるならそれに越したことはありません。が、小学校1年生、2年生くらいではいきなり「毎日続ける」と言ってもなかなか難しいのが現実です。高学年生でも、最初は「面倒だなぁ」と思います。大人だって同じです。新しい習慣は簡単には身に着きません。

だから「10分だけ」という簡単な目標からクリアしていきます。「遊ぶ前に10分だけ」「宿題の前に10分だけ」「夕食の前に10分だけ」・・・等、10分なら毎日の習慣に取り入れやすいし、気負わずに済みます。

これが「1日30分を続けましょう」となると、テレビのアニメ1回分なのでちょっと長いと思えてきます。すると「今は気分じゃないから後で」という言い訳をしやすくなります。

だから「後でやる」という言い訳をしにくい「10分」から始めることをお勧めしています。

10分を習慣づける方法

1.何かの前に10分

「遊ぶ前に10分」「宿題の前に10分」「夕食の前に10分」「サッカーの練習に出る前に10分」・・・等、毎日行っている何かの前に10分の練習をつけると、「つい、うっかり」で練習を忘れることを防げます。慣れてしまえば当たり前の習慣なのですが、最初は決め事にしておいたほうが続けやすいのです。

2.カレンダーにシールを貼る

学校の教室に、漢字ドリルや掛け算九九をクリアするとシールを貼る表がありませんか?それと同じように、練習したらカレンダーに小さなシールを貼ってみましょう。シールが増えていくと「自分も頑張っているな」と自信が持てます。

専用の練習カレンダーを作ってもいいでしょう。学校行事なども書き込んで「この日は運動会で疲れて練習できないかもしれない。他の日にしっかり練習しておこう」という調整もしやすくなります。

小学生はまだ「先の予定を見越して計画を立てる」ことが苦手です。パッと見て分かるカレンダーがあると「この週は帰省で留守にするから、前後の週はしっかり練習しようね」と親からも声をかけやすいですし、子どもも納得しやすくなります。

3.スマートフォンのリマインダーを利用する

目覚まし時計と同じように、毎日決まった時間に「バイオリン練習の時間です」というアラームやメッセージが入ると「あ、練習の時間だな」と意識を切り替えやすくなります。

シンプルにGoogleやMicrosoftのToDoアプリでもいいですし、LINEの「リマインくん」は会話調のメッセージが楽しいアプリです。

10分の練習を「意味あるもの」にするには

1日10分の練習なら続けられそうだけど、本当に10分で意味があるの?と疑問に思うかもしれません。集中して正しい練習をしていれば1日10分でいいのです。実際に1日10分を続けたら6週間で曲は弾けます

しかし、ただ楽器を弾いて時間を分を消化しているだけなら、30分練習しても1時間練習しても効果はありません。

10分の練習を「意味のある練習」「効果的な練習」にする方法を下に紹介します。

1.今日の目標を決める

10分の練習はあっという間です。あれもこれもといろいろなことはできません。一つでいいので「今日は●●を練習する」と目標を決めましょう。

自分の得意なことを繰り返すのではなく「●●が苦手だから滑らかに弾けるようにする」「途中で間違えても止まらずに弾き続ける」等、「ここが改善されたらもっと良い演奏になる」という箇所を目標に設定してみましょう。

初心者のうちは上手にできないことがたくさんあっても当たり前です。全部を一度に改善することはできないので「今日はこれ」と一つを決めて取り組むことをお勧めします。

小学生だと客観的に考えることはまだ難しいので、毎日の目標の設定はぜひ大人が手伝ってあげてください。

2.レッスンで質問する

何を目標にしたらいいか分からなかったら、または目標を決めてもどう練習したらいいのか分からなかったら、レッスンで先生に質問しましょう。「何が良くないのか分かりません。教えてください。」「●●を良くしたいけど、どうやって練習したらいいか分かりません。教えてください」等、質問できるということは実はそれ自体が上達の一歩です。

バイオリン上達の秘訣は「質問」~これで1日10分の練習が「上達する練習」に」でも解説しているので参考にしてください。

3.動画を撮影する

演奏している姿を動画に撮影してみましょう。一流のスポーツ選手も、自分のフォームを撮影して確認していますね。それと同じ。動画で見てみると思ったより不格好な弾き方をしているかもしれません。

大人も一緒に動画を見てみましょう。親も「サポート初心者」なので、正しく理解していないことは多々あるので、動画に映る姿が理想とは全く違って驚くかもしれません。

「できているだろう」「これくらいだろう」という曖昧な納得ではなく、はっきりと「姿勢が悪い」「ボーイングが曲がっている」と苦手箇所が一目で分かるので、動画撮影はお勧めです。

できるなら20分、30分、練習するのが理想だが・・・

楽器の習い事の初心者はまず10分の練習を習慣づけること、これが最初の目標です。10分を毎日続けられるようになったら、そのころには体の使い方も慣れてきているので、10分じゃなくても弾き続けられることでしょう。

練習は10分しかやってはいけない、ということではありません。「初心者が無理なく続けるため」の練習として10分の目標をお勧めしていますが、できるなら20分、30分、弾いてほしいところです。

バイオリンの基礎は簡単に身に着くものではありません。本来はボーイングだけでも10分は練習してほしいのです。それから曲を弾く練習をしたほうが効果はより高くなります。

いきなり練習時間を増やしても「面倒だな、後にしよう」と思ってしまいます。10分の練習に慣れてきたら、15分に増やしてみましょう。15分に慣れたら20分に・・・でも30分に増やしたら「面倒だな」という気持ちが出てくるなら、いったんは「20分」の練習で続けていきましょう。

楽器の上達には「続けること」が何より大事。無理のある練習は長続きしませんから「続ける」を優先してみてください。

バイオリンを演奏するリスのイラスト

「バイオリンをもっと身近に感じてほしい」の思いを持ったバイオリニストによる講師チーム。オンラインならではの教え方を工夫しています。日本国内だけでなく海外からもレッスン実施中。